インド逆輸入式算数 乗算篇
2008年 05月 10日
インド式の凄いところは、最適化の発想なんですな。
従来の常識を破りつつも、ちゃんと数学的に証明できる方法を見いだしたところね。
んでも、実際使ってみると別の面で今ひとつ面倒だったりする。
ならば、その発想を活かしつつ従来の手段に取り入れればいいのだ。
例えば、987×876という乗算を従来方式で計算すると
987
×876
──────
5922
6909
7896
──────
864612
…とまあ、どうやっても暗算は無理そな。
何故この形で暗算ができないかというと、積和の手順が複雑だからなんです。
この計算を手順通りに分解すると、以下のようになる。
987
×876
──────
42
48
54
49
56
63
56
64
72
──────
864612
こんな桁位置バラバラな手順で積和繰り返してたら暗算なんて無理。
もうね、計算途中でテンポラリ忘れるから。
では、桁位置でソートしてみたら、どうだろうか。
987
×876
──────
42
48
49
54
56
56
63
64
72
──────
864612
まだ暗算には抵抗あるかもしれないが、だいぶマシになってきたと思う。
次に、桁の合った部分を暗算しつつ、繰り上がりを反映させてみよう。
一の位: 6x7=42 → 2確定,4繰り上がり
十の位: 8x6+7x7+4=101 → 1確定,10繰り上がり
百の位: 9x6+8x7+7x8+10=176 → 6確定,17繰り上がり
千の位: 9x7+8x8+17=144 → 4確定,14繰り上がり
万の位: 9x8+14=86 → 6確定,8繰り上がり
十万の位: 8確定
複雑さが残るとはいえ、これなら練習すれば暗算できるような気になってきたっしょ?
では、一番肝心なところ。
この手段だと、どの桁でどの数を組み合わせればいいのかという点が解り辛い。
ここで、2つの法則に注目。
まず、987を900+80+7、876を800+70+6と分解して考え、基本的な展開式である
(a+b+c)(d+e+f)=ad+ae+af+bd+be+bf+cd+ce+cf に当てはめてみる。
すると、どの桁とどの桁を乗算すればいいかが見えてくる。
aもbもcもそれぞれd,e,fと乗算して、この組み合わせ9つを全て加算したものが解。
もう一つの法則は、10x10=100 100x100=10000であるということ。
2箇所の桁を乗算したらどの桁に収まるかというのを確り認識しておく必要がある。
で、これを踏まえて筆算の書き方を工夫してみる。
9 8 7
×8 7 6
──────
42
48
49
54
56
56
63
64
72
──────
864612
こーやって被乗算数と乗算数を1桁おきに書くと、2箇所の桁を乗算した後の位置が
一目で判るようになる。十の位同士、8x7の結果はそのまま真下に来るのだ。
で、桁毎に組み合わせを集める方法。
まず、一の位。被乗算数と乗算数、つまり7と6の真ん中あたりに注目。
そこから上下に伸びたところにある7x6だけが対象の組み合わせ。
次は十の位。解を書く位置での十の位からそのまま上、被乗算数と乗算数でいう
ところの、一の位と十の位の間。ここも、被乗算数と乗算数の真ん中に注目。
そこから上下は空白で、数字はない。で、左右それぞれ45度傾けてやると、
8x6 7x7 という2つの組み合わせが該当する。
百の位も同様に。ここは上下の8x7の他、傾けたところに9x6 7x8と、計3つの
組み合わせがある。
…という具合に考えていくだけで、全ての組み合わせが出てくる。
あとは、練習あるのみです。とはいえ、いきなり3桁x3桁というのは難しいので
まず2桁x2桁で試してみてくださいまし。
[参考]
ひと目でわかるインドの数学
従来の常識を破りつつも、ちゃんと数学的に証明できる方法を見いだしたところね。
んでも、実際使ってみると別の面で今ひとつ面倒だったりする。
ならば、その発想を活かしつつ従来の手段に取り入れればいいのだ。
例えば、987×876という乗算を従来方式で計算すると
987
×876
──────
5922
6909
7896
──────
864612
…とまあ、どうやっても暗算は無理そな。
何故この形で暗算ができないかというと、積和の手順が複雑だからなんです。
この計算を手順通りに分解すると、以下のようになる。
987
×876
──────
42
48
54
49
56
63
56
64
72
──────
864612
こんな桁位置バラバラな手順で積和繰り返してたら暗算なんて無理。
もうね、計算途中でテンポラリ忘れるから。
では、桁位置でソートしてみたら、どうだろうか。
987
×876
──────
42
48
49
54
56
56
63
64
72
──────
864612
まだ暗算には抵抗あるかもしれないが、だいぶマシになってきたと思う。
次に、桁の合った部分を暗算しつつ、繰り上がりを反映させてみよう。
一の位: 6x7=42 → 2確定,4繰り上がり
十の位: 8x6+7x7+4=101 → 1確定,10繰り上がり
百の位: 9x6+8x7+7x8+10=176 → 6確定,17繰り上がり
千の位: 9x7+8x8+17=144 → 4確定,14繰り上がり
万の位: 9x8+14=86 → 6確定,8繰り上がり
十万の位: 8確定
複雑さが残るとはいえ、これなら練習すれば暗算できるような気になってきたっしょ?
では、一番肝心なところ。
この手段だと、どの桁でどの数を組み合わせればいいのかという点が解り辛い。
ここで、2つの法則に注目。
まず、987を900+80+7、876を800+70+6と分解して考え、基本的な展開式である
(a+b+c)(d+e+f)=ad+ae+af+bd+be+bf+cd+ce+cf に当てはめてみる。
すると、どの桁とどの桁を乗算すればいいかが見えてくる。
aもbもcもそれぞれd,e,fと乗算して、この組み合わせ9つを全て加算したものが解。
もう一つの法則は、10x10=100 100x100=10000であるということ。
2箇所の桁を乗算したらどの桁に収まるかというのを確り認識しておく必要がある。
で、これを踏まえて筆算の書き方を工夫してみる。
9 8 7
×8 7 6
──────
42
48
49
54
56
56
63
64
72
──────
864612
こーやって被乗算数と乗算数を1桁おきに書くと、2箇所の桁を乗算した後の位置が
一目で判るようになる。十の位同士、8x7の結果はそのまま真下に来るのだ。
で、桁毎に組み合わせを集める方法。
まず、一の位。被乗算数と乗算数、つまり7と6の真ん中あたりに注目。
そこから上下に伸びたところにある7x6だけが対象の組み合わせ。
次は十の位。解を書く位置での十の位からそのまま上、被乗算数と乗算数でいう
ところの、一の位と十の位の間。ここも、被乗算数と乗算数の真ん中に注目。
そこから上下は空白で、数字はない。で、左右それぞれ45度傾けてやると、
8x6 7x7 という2つの組み合わせが該当する。
百の位も同様に。ここは上下の8x7の他、傾けたところに9x6 7x8と、計3つの
組み合わせがある。
…という具合に考えていくだけで、全ての組み合わせが出てくる。
あとは、練習あるのみです。とはいえ、いきなり3桁x3桁というのは難しいので
まず2桁x2桁で試してみてくださいまし。
[参考]
ひと目でわかるインドの数学
by denullpo
| 2008-05-10 03:21
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