公共事業の仕組み
2012年 03月 31日
年度末ということで、何故駆け込みで予算使い切るのかという
タイムリーな話を。
公共事業ってのは、投資的経費として予算が組まれるのです。
初めから具体的な用途が決まっている義務的経費とは違って、
必ずしも明確な用途があるわけではなかったりする。
ただ単純に、"地域を儲けさせ、地域の価値を上げよう"という
趣旨だけが共通要素ね。
これを単純に解釈するならば、"地域が儲かる何かを創ろう"ということ。
具体的には産業推進だったり観光開発だったりそんな感じの
目に見えてよくわかりやすい手段。
ただ、そんな儲け話は常時そこらに転がっているわけではないし、
儲け話に乗るということでさえかなり大博奕なこと。
で、政治的見地において"地域が儲かる何かを創ろう"というのは、
もっとコンスタントに対応できる手段が要求されることになる。
そこで経済効果という考え方が出てくる。
一般的には先に挙げた例とほぼ同一と認識されがちではあるんですが、
実際はもっと地味な話。その代わり手段は限定されず、何にでも使える。
俗にバラマキってやつだが、これが効果覿面。侮るなかれ。
例えば、なんかの事業で1億円の支出があったとする。
その1億円は、取引先で生じた売り上げと等しい。
で、その売り上げのうち、仮に利益50%の経費50%とすると、
取引先は5000万円の儲けで、残りの5000万円は他のどこかに行き渡る。
その行き渡った先でも利益と経費に分かれていくんだけど、
何人に行き渡っても、利益率が変わっても、
利益の合計は1億円で同じってことは念頭に。
で、儲かったぶんはどうするかというと、仮に貯蓄50%の消費50%とすると
各人の利益の合計1億円のうち5000万円が他の用途で使われることになる。
この時点で経済効果は1億5000万円となるのですが、まだ終わらない。
その"他の用途"で使われた5000万円はさらに他の誰かの利益となり、
そこでも仮に貯蓄50%の消費50%とすれば経済効果は2500万円追加で
1億7500万円と。さらにその2500万円がまだまだ…という感じで
限界まで繰り返していくと、経済効果は2億円まで増えていくのです。
即ち、なんだかよくわかんない公共事業でも、1億円使うだけで
2億円の経済効果を創出できましたっと。
これが乗数効果ってやつね。
ただし、これって景気によって効果が大きく変わってくるのよね。
例として貯蓄50%の消費50%としたんですが、これは景気よければ
消費側が増え、悪ければ貯蓄側が増える傾向となる。
消費90%なら1億円の支出で経済効果は10億円にもなるんですが、
貯蓄90%なら1.1111…億円にしかならない。
こんな感じで、景気悪いときってのは乗数効果が生じにくく、
それで皆の利益が減って消費も減って取引先の利益がさらに減って
…という悪循環。それを断ち切るために、景気悪いときこそ盛大に
バラマキかましてやんなきゃならないところ、そこに景気悪いときは
財布の紐を締めよという正反対な庶民感覚が入ってきてパラドクス
じみてくるんですが、そこらへんは微妙に脱線なのでとりあえず放置。
で、ここで"何故予算を使い切るのか"という話になってくる。
投資的経費ってのは、もともと経済効果を創出するためのものなんです。
使えば使うほど経済効果になるという性質故に、余らせたら逆に
地域から利益を奪う行為になる。1億円の予算を5000万円しか
使わなかったら、2億円になるはずの経済効果は1億円にしかならない。
差し引き、5000万円のケチが1億円の機会損失と。
さらに、予算余らせるような事態になったら次年度以降の予算も
減らされてしまい、機会損失は増えていくのでありました。
というわけで、投資的経費は余さず使え。これが鉄則。
使ったぶんだけ住民の利益になる。
もちろん、全ての住民に満遍なく利益が行き渡るわけではなく、
それ故に利権どーのこーのという話になってくるわけで。
でも、どんな手段にしても必ずどっかに偏るのは避けられないのだ。
だから、他人の利益を妬んで足を引っ張るのではなく、自ら積極的に
利益の取り合いに参加せよ。企業の儲けが従業員に回ってこないのが
嫌ならストなり転職なりあらゆる手段で自分の儲けを増やせ。
…と、自分は常日頃から云うておる。
タイムリーな話を。
公共事業ってのは、投資的経費として予算が組まれるのです。
初めから具体的な用途が決まっている義務的経費とは違って、
必ずしも明確な用途があるわけではなかったりする。
ただ単純に、"地域を儲けさせ、地域の価値を上げよう"という
趣旨だけが共通要素ね。
これを単純に解釈するならば、"地域が儲かる何かを創ろう"ということ。
具体的には産業推進だったり観光開発だったりそんな感じの
目に見えてよくわかりやすい手段。
ただ、そんな儲け話は常時そこらに転がっているわけではないし、
儲け話に乗るということでさえかなり大博奕なこと。
で、政治的見地において"地域が儲かる何かを創ろう"というのは、
もっとコンスタントに対応できる手段が要求されることになる。
そこで経済効果という考え方が出てくる。
一般的には先に挙げた例とほぼ同一と認識されがちではあるんですが、
実際はもっと地味な話。その代わり手段は限定されず、何にでも使える。
俗にバラマキってやつだが、これが効果覿面。侮るなかれ。
例えば、なんかの事業で1億円の支出があったとする。
その1億円は、取引先で生じた売り上げと等しい。
で、その売り上げのうち、仮に利益50%の経費50%とすると、
取引先は5000万円の儲けで、残りの5000万円は他のどこかに行き渡る。
その行き渡った先でも利益と経費に分かれていくんだけど、
何人に行き渡っても、利益率が変わっても、
利益の合計は1億円で同じってことは念頭に。
で、儲かったぶんはどうするかというと、仮に貯蓄50%の消費50%とすると
各人の利益の合計1億円のうち5000万円が他の用途で使われることになる。
この時点で経済効果は1億5000万円となるのですが、まだ終わらない。
その"他の用途"で使われた5000万円はさらに他の誰かの利益となり、
そこでも仮に貯蓄50%の消費50%とすれば経済効果は2500万円追加で
1億7500万円と。さらにその2500万円がまだまだ…という感じで
限界まで繰り返していくと、経済効果は2億円まで増えていくのです。
即ち、なんだかよくわかんない公共事業でも、1億円使うだけで
2億円の経済効果を創出できましたっと。
これが乗数効果ってやつね。
ただし、これって景気によって効果が大きく変わってくるのよね。
例として貯蓄50%の消費50%としたんですが、これは景気よければ
消費側が増え、悪ければ貯蓄側が増える傾向となる。
消費90%なら1億円の支出で経済効果は10億円にもなるんですが、
貯蓄90%なら1.1111…億円にしかならない。
こんな感じで、景気悪いときってのは乗数効果が生じにくく、
それで皆の利益が減って消費も減って取引先の利益がさらに減って
…という悪循環。それを断ち切るために、景気悪いときこそ盛大に
バラマキかましてやんなきゃならないところ、そこに景気悪いときは
財布の紐を締めよという正反対な庶民感覚が入ってきてパラドクス
じみてくるんですが、そこらへんは微妙に脱線なのでとりあえず放置。
で、ここで"何故予算を使い切るのか"という話になってくる。
投資的経費ってのは、もともと経済効果を創出するためのものなんです。
使えば使うほど経済効果になるという性質故に、余らせたら逆に
地域から利益を奪う行為になる。1億円の予算を5000万円しか
使わなかったら、2億円になるはずの経済効果は1億円にしかならない。
差し引き、5000万円のケチが1億円の機会損失と。
さらに、予算余らせるような事態になったら次年度以降の予算も
減らされてしまい、機会損失は増えていくのでありました。
というわけで、投資的経費は余さず使え。これが鉄則。
使ったぶんだけ住民の利益になる。
もちろん、全ての住民に満遍なく利益が行き渡るわけではなく、
それ故に利権どーのこーのという話になってくるわけで。
でも、どんな手段にしても必ずどっかに偏るのは避けられないのだ。
だから、他人の利益を妬んで足を引っ張るのではなく、自ら積極的に
利益の取り合いに参加せよ。企業の儲けが従業員に回ってこないのが
嫌ならストなり転職なりあらゆる手段で自分の儲けを増やせ。
…と、自分は常日頃から云うておる。
by denullpo
| 2012-03-31 02:20
| ちょいマジ